ドローン は、アルコールや薬を飲んだら操縦しちゃダメ!

航空法 第132条について (第132条の86(飛行の方法)第1項1号)
(飛行の方法)
無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行させなければならない。
一 アルコール又は薬物の影響により当該無人航空機の正常な飛行ができない恐れが有る間において飛行させないこと。・・・

ドローンの国家資格を取得された方なら必ず覚えている条文ですが、これアルコールって、飲酒や酒気帯びでの操縦禁止を示しているという事は、十分に理解されていると思います。
また、皆さんアルコールの残留状態をどのように認識しているかというと、自動車運転での酒気帯び運転の基準が思い浮かぶと思います。
道路交通法では、呼気中のアルコール濃度1Lあたり0.15㎎以上と定められており、血中アルコール濃度(/㎖)に換算すると0.3㎎/㎖(0.03%)に相当します。
道路交通法での酒気帯び運転の懲罰は
アルコール濃度 0.15㎎/L以上0.25㎎/L未満の場合:基礎点数13点 免許停止期間90日
0.25㎎/L以上の場合 :基礎点数25点 免許取り消し
酒気帯び運転をした運転者の場合 :3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
酒気帯び運転をした運転手に車両提供した者 :3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
酒気帯び運転をした運転手にお酒を提供した者 :2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
警察庁ではアルコールの影響が大きい(呼気のアルコール濃度)状況では、単独事故が多く、運転者や同乗者、第三者の死亡事故比率も飲酒なしに比べ6.1倍(令和5年実績)に増えると報告しています。
この報告は、アルコールが人間の脳の反応機関に麻痺を起こすとされており、アルコール濃度が高くなるに連れ、反応時間が長くなる傾向にあり、無反応や誤反応が増え、速度や位置感覚も鈍る傾向にあるとされています。
(平成18年アルコールが運転に与える影響の調査研究:科学警察研究所交通安全研究室調べ)
因みに、アルコールの1単位(ビール中瓶1本、500mlロング缶、お酒1合180ml、ワイン2杯200ml等)のアルコール分解に、個人差はありますが5時間程度かかることを十分に認識し、業務前日の飲酒は控えた方が良いでしょう。
これらアルコールによる影響は、ドローンの操縦においても同様であると言えます。
「飲んだら飛ばすな」「飛ばすなら飲むの我慢しろ!」

では、”薬物の影響”って、何を思い浮かべますか。
警察庁では、薬物とは、覚醒剤、大麻、コカイン、ヘロイン、MDMA(LSD)、シンナー等の習慣性があり、乱用されると依存症となり、錯乱状態を引き起こし、幻覚作用なども引き起こす恐ろしい薬を指すとありますが、これらは当然ダメって私達は十分に理解していますが、その他の薬にも副作用という目的とは違う症状を引き起こす薬が有ります。これらの薬についても理解する必要が有ります。
一般用医薬品(OTC)を服用している場合の注意

一般用医薬品(OTC医薬品)については、副作用や飲み合わなどの安全性に特に注意が必要なリスクに合わせて分類されています。
第1類医薬品 解熱消炎鎮痛「ロキソニン」
胃腸薬 「ガスター10」
これら第1類医薬品は、副作用、相互作用などの項目で安全性上、特に注意を要する医薬品です。店頭で購入の際は、薬剤師から書面により、使用方法や相互作用(飲み合わせ)、副作用などの説明を必ず受ける必要が有ります。
第2類医薬品 風邪薬「パブロン」「ムコダイン」「ルル」他
鎮痛薬「イブ」「バファリン」 他
鼻炎薬「アレジオン」「ストナ」「アルガード」他 「クラリチン」「アレグラ」 他
漢方薬 葛根湯、小青龍湯、他
これら第2類医薬品は、副作用、相互作用などの項目で安全性上、注意を要する医薬品です。
一般用医薬品(OTC)については、第1類医薬品はもとより、第2類医薬品を服用目的で買い求める際に、近日中に緊張感を必要とするドローン操縦を行う事を薬剤師に伝え、アドバイスを求める事も思わぬ事故を未然に防ぐために必要と考えます。
医療用医薬品を服用している場合の注意




医療用医薬品(処方薬)については、病院や開業医(街のお医者さん)から処方された薬となり、自分の疾病に合わせた治療薬となります。高い効き目が期待できる反面、副作用が出る恐れもあるため、医師や薬剤師の指導が必要な薬です。
アレルギー治療薬 (花粉症などで処方される薬)
抗ヒスタミン薬と呼ばれ、第1世代と第2世代があり、第1世代は眠気が強くなったり、口の渇きを感じやすい副作用が出やすいと言われています。
【第1世代抗ヒスタミン薬】
ポララミン(d-クロルフェニラミンマレイン酸塩)
レスタミン(ジフェンヒドラミン酸塩)
アタラックスP(ヒドロキシジン)
【第2世代抗ヒスタミン薬】
アレグラ(フェキソフェナジン) アレジオン(エピナスチン) クラリチン(ロラタジン) ジルテック(セチリジン塩酸塩) タリオン(ベポタスチン)
が比較的眠気が少ない薬です。
しかしながら、アレロック(オロパタジン)は第2世代でありながら眠気が強く出る傾向にあります。
これら花粉症治療薬についても、自分に合った薬を医師、薬剤師と話をしながら症状が改善されなければ変えて行くという形になりますが、上記での副作用についても全ての人にあてはまるものでもありません。
また、車の運転をドローンの操縦と置き換えた時に、突然の操縦者の体調変化についても事故に繋がりますので次の薬についても注意が必要です。
その他副作用(眠気・失神等)に注意が必要な薬
【抗てんかん薬】副作用:眠気、ふらつき、めまい、吐き気など
アレビアチン ヒダントール(フェニトイン) デパケン(バルプロ酸ナトリウム) リボトリール(クロナゼパム) 等
【高血圧治療薬】副作用:動悸、めまい、ふらつき、眠気
アムロジン アダラートCR アテレック(カルシム拮抗薬(CCB))
グレープフルーツとの相互作用でめまい失神事例があり、生グレープフルーツジュースや果皮、果肉に含まれるフラノクマリン類がCCBの分解を阻害し、CCBの血中濃度が上がり、急な低血圧を生じることが報告されています。
【心不全治療薬】
心臓の病気に関しては、「心不全の悪化を遅らせる薬」「心不全の症状を緩和する薬」があります。心不全の薬も長く続ける服用になるため注意が必要です。
(症状を緩和する薬)副作用:急な血圧の低下によるふらつきが出る可能性
レニベース(エナラプリルマレイン酸塩)
ブロプレス(カンデサルタン シレキセチル)
(悪化を遅らせる薬)副作用:手足の痙攣、意識の低下があらわれる可能性
フォシーガ(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)